2024年2月18日に東京の国際フォーラムにて、ワークマンの2024年春夏新製品発表会が開催され、ワークマンのアンバサダーでもあるRUNNING STREET 365も招待を受けて、出席してきました。昨年はタイミングが合わず、1年ぶりにワークマンの発表会でしたが、ずいぶんとイメージが変わった印象がありました。
そして、ランナーにとって魅力的なアイテムの発表もありましたので、「こんなものがあったよ」と簡単にレポートしていこうと思います。先に伝えておきますが、今回はランニングシューズの新製品はなく、機能性ウェア中心となっています。
アパレル参入でデザインが洗練されつつある
今回の発表会で1番大きく変わったと感じたのが、ウェアなどのアイテムのデザイン性です。ワークマンは高い機能性を持った素材を使って、リーズナブルな価格で商品を提供してくれるといった特徴がありますが、昨年から本格的にアパレル参入したことで、デザインへの意識も変わってきたのかもしれません。
たとえば上の写真のソックスですが、とてもシンプルなデザインに仕上がっています。これまでのワークマンのソックスですと、奇抜な色の組み合わせにすることも多く、機能性が高いのはわかっていても、「ちょっとこれは……」と買わなかったことも多々ありますが、このソックスはどのカラーもシンプルで使いやすくなっています。
ソックスはひとつの例ですが、少し前までワークマンらしさでもあった「ダサさ」が抜けてきて、これは普段着にもなりそうと思えるものが増えつつあります。機能性の高さは言うまでもなく、価格も抑えられているので、ほとんど死角がなくなりつつあります。
さらに大手素材メーカーや研究所などとのコラボレーションも進んでおり、きちんとエビデンスに基づいた「機能性」となっており、使ってみたくなるものが多々あります。ただ、店舗でも感じることですが種類の多さに圧倒されてしまうのが悩ましいところです。
夏のジョグを安全かつ快適にしてくれるペルチェベスト
今回の目玉アイテムは、夏の熱中症対策アイテムとして昨年すぐに完売したペルチェベストです。夏は涼しく、冬は暖かくなるということで、厳しい環境での仕事をする人に最適なアイテムなのですが、2024年モデルはペルチェ素子が1個から3個になって、冷却温度も暖房温度も向上しています。
それなのに価格はお値段据え置きの19,800円。ワークマンのアイテムの中ではかなり高額な部類になりますが、たとえば夏にしっかり距離を踏みたい人にとっては、熱中症を回避しながらジョグできるので費用対効果は抜群です(それでも30℃を超える気温でのランニングはNGですが)。
そしてこのペルチェベストに期待したくなるのは、ペルチェ素子を反対に付けられるという点にあります。本来なら胸部の下側を冷やすペルチェ素子を逆向きにつけることで、走っているときに手のひらを冷やせるようになります。
手のひらを冷やすことで熱中症対策になるとされていますが、体温が上がってきたなと感じたタイミングで手のひらをペルチェ素子に当てることで体温上昇を抑えられます。理想をいえば最初から手のひらをにペルチェ素子を持てるといいのですが、ランニング用アイテムではないのでそこまでは期待できません。
とはいえ夏のトレーニングの質を落としたくないという人にとって、ペルチェベストはかなり有効なアイテムになります。毎年夏バテになりがちなランナーの方は、こまめにワークマンのサイトや店舗をチェックして、買い逃さないようにしてください。
理想的な姿勢で走りをサポートしてくれるX Booster
かつてスポーツメーカーも「着るだけで姿勢が良くなって効率良く走れるようになる」ウェアを発売していました。ただ価格が高くて2セット購入するのは難しく、さらには姿勢が大事という考え方もあまり浸透していなかったのもあって、いつの間にか販売されなくなっていました。
そんな姿勢を整えるウェアがこの春夏からワークマンに登場します。肩を開いて肩甲骨を引き寄せてくれる長袖コンプレッションや骨盤を引き起こしてくれるアシストストレッチパンツがそれにあたり、本来は作業現場などで無理な力を使わずにモノを持ち上げたりするために開発されたアイテムです。
実際に着用したわけでもなく、なおかつ私自身が比較的姿勢が整っているほうなので、おそらく着用してもそこまで効果が出ない可能性があるのですが、猫背やストレートネックになりがちなランナーの方なら、着用するだけで走りが大きく変わるのを実感できるはずです。
でもそれって一時的では?と思うかもしれませんが、理想的な姿勢に矯正した状態で走れば、それに見合った筋肉が付いていきます。反対に乱れた姿勢で走り続ければ、乱れた状態で筋肉が付いていきます。1年後2年後に大きな走力の差になってくるのは言うまでもありません。
そして、いずれも安いわけです。たとえば長袖コンプレッションは1,500円です。2着買っても3,000円ですので、洗濯したら乾ききらずに着れないなんてことを回避できます。もちろん矯正のために普段からインナーに使うのもOKです。
コンディションを整えてくれるアイテムたち
あまり知られていませんが、ワークマンはリカバリーウェアも手掛けており、ここ最近トレンドとなっている締め付けないリカバリーウェアを販売しています。さらに今年はワークマン女子限定で冷感のある敷きパッドを発売します。
さらには旭化成アドバンスとの共同開発した「シン・呼吸するインナー」も発売されます。接触冷感があるだけでなく、吸放湿性も備えており夏場の寝苦しさや日常生活でのムレを解消してくれるので、夏バテ対策になります。
これらのアイテムのすごいのは、やはり低価格にあります。シン・呼吸するインナーの半袖は2枚で980円というとんでもない価格となっています。そして、これまでのワークマンなら、どこかダサい感じがあったのですが、これはきれいなシルエットになっています。
もう安いだけじゃない、機能性が高いだけじゃないというのがこれからのワークマンの方向性。RUNNING STREET 365でもレポートしたいと思えるアイテムが増えてきましたので、できればランナーに役立つワークマンアイテムのレポートを連載できればと考えています。
これまでアンバサダーらしいことをほとんどしてこなかったので、少しは貢献したいというのもありますが、ランニングシューズを含むランニングアイテムがここまで高騰化すると、ランナーの財布が思いのほか軽くなっていそうで、抑えるところは抑えられたらいいなという思いがあります。
もちろん自信を持って「おすすめ」と言えるアイテムだけを紹介しますので、レビュー記事を楽しみに待っていてください。