日本一早いマラソンレポート「南横ウルトラマラソン2018(台湾)」

日本人ランナーのほとんどの人が知らない台湾のウルトラマラソン。南横ウルトラマラソンを耳にしたことのあるはかなり少数派でしょう。台湾に友だちがいるランナーでもない限り縁のない大会かと思います。

南横ウルトラマラソンは台東のやや北側、關山(関山)で開催される大会です。台北から約4時間、飛行機なら1時間程度ですが、電車のほうが1/3くらいの費用で行けるため、現地の人も電車を使っての移動がほとんどです。

ただし、關山から大会会場までは徒歩で行けますし、駅周辺にホテルがありますので、大会前日に野宿しなくてはいけないというリスクは回避できます。

とはいえ、南横ウルトラマラソンは台湾の人にもメジャーな大会ではありません。小さな田舎町の700人程度のランナーが走るウルトラマラソンです。日本では開催できない規模の少ない参加人数で、さらにそこから100kmと60kmに分かれます。

昨年までは10kmや120kmと幅広いラインナップでしたが、今年から日本のウルトラマラソンを参考にして2種目に絞っています。

この大会の特徴は、60kmで2300mの高度上昇がある難コースです。100kmでどれくらいの高低差になるかわかりませんが、3500mは軽く超えているはずです。

最高高度は880m程度ですが、スタートの標高が227mくらいありますので、単純高低差は653mしかありません。ところがアップダウンが激しいため、60kmで2300m上の高度上昇ということになります。

スタートとゴールは同じ場所ですので、もちろん2300m下ります。今年はコースとなる道路の工事があったため、100kmは60mと同じ場所で最初の折り返しをします。

もちろんそれでは距離が足りませんので、最高地点まで上ってから下って、その後もう一度上り直します。ちょっと気が遠くなるようなコースです。常に上っているか下っているか。

とはいえ、台湾のランナーはその難コースを楽しむかのように走ります。もちろん、つらい顔をしている人もいますが、つらさを楽しんでいる雰囲気のあるランナーが多いように感じます。

台湾のマラソンやウルトラマラソンの特徴として「仲間と出る」人が主流のように感じます。ウルトラマラソンのランニングチームがいくつもあり、数十人規模で参加します。

その結果、折り返しコースということもあり、選手同士での「加油!(がんばれ!)」の声が途切れることはありません。ウルトラマラソンですので、観客はほとんどいませんが、仲間がいるから頑張れますし、手も抜けません。

日本人には知られていない大会ですが、どこにもで現れるのが日本人。「台湾のウルトラマラソンチームとの縁があって」と毎年南横ウルトラマラソンに出場している人たちがいました。

RUNNING STREET 365は、日台友好のために様々な活動をしている、50kmの元日本代表である出口さんのサポートと大会レポートの作成という名目で参加しましたが、こちらも台湾のランナーとの繋がりで走ることになっています。

その出口さんの紹介で、100km女子の日本代表である能勢さんもスタートラインに立ちます。結果的には、その2名が男女アベック優勝となっています。ただ、2人とも前日には熱烈な歓迎を受けて、たくさんのビールを飲まされていました。

それを物ともせず優勝した2人は、おそらく台湾のウルトラランナーの中で「怪物」という印象を持たれたかもしれません。ちなみに100km男子の2位も日本人です。

正直、気温によっては前日のお酒は控えたほうがいいななとは思います。エイドは3kmごとにありますが、ウルトラマラソンの3kmは後半になるとどれだけ大変か知っている人もいますよね。

今年は26℃くらいまで気温が上がりましたので、前日にお酒をしっかり飲んだ人は脱水状態とも戦わなくてはいけなくなります。3月ですので雨が降ると寒くなることもありますので、コンディションは毎年変化します。

小さな大会ですが、決してレベルが低いわけではありません。台湾を代表するウルトラランナーの梁選手が出場していましたし、女子はフルマラソンを2時間30分くらいの記録を持つ中国昆明の選手を招いていました。

日本人だとわかると、台湾のランナーは「加油!」や「頑張って!」の声を必ずと言っていいほど掛けてくれます。追い越していく選手、追い越されていく選手も声をかけてくれます。

沿道にほぼ応援のないウルトラマラソンで、ここまで力になる声援を送ってくれる大会が日本にもあるのでしょうか?自分たちも苦しいはずなのに、そんな素振りはまったく見せずに、声で背中を押してくれます。

そうなると歩きたくなる弱い自分を奮いたたせるしかありません。日本人であることを誇りにして、日本人らしい粘り強い走りをする覚悟を持たせてもらえます。

ちなみにこの大会のゼッケンには国旗がついています。台湾人は台湾の国旗、日本人には日の丸が印刷されています。ゼッケンを見ればどこの国のランナーなのかすぐに分かります。

でも、もし日本人が参加するのであれば、ウェアのどこかに日の丸を付けて走ることをおすすめします。それだけで力強い声援を送ってもらえるなら、付けるしかないですよね。

別に日本を代表する必要はありません。「日本から来ました」が伝わるだけで喜んでくれます。とても小さなことですが、そういうところから国際交流が始まります。ランニング人生が変わるような出会いがあるかもしれません。

100kmを走ることで人生が変わるなんて考えられないかもしれませんが、南横ウルトラマラソンなら、そんな出会いの可能性があります。規模が大きすぎず、選手同士の距離や運営と選手の距離が近いため、会場の一体感が驚くほど高い大会です。

ただ、はっきり言って100kmはかなりレベルが高いコース設定です。日本ですと飛騨高山ウルトラマラソンよりも厳しいかもしれません。ですので、不安だなという人は60kmのほうがおすすめです。

苦しければ苦しいほど気持ちよくなれる選手なら、100kmもいいのですが、とにかくしっかりとした走り込みは必要です。

とはいえ、台湾の人たちのように「なんとかなるさ」という軽い気持ちで、100kmを選んでもいいかもしれません。100kmのほうが長い時間コースにいられますので、それだけ多くのランナーとすれ違ったり、並走したりできます。

また、参加するときはできるだけ仲間を誘って走ることをおすすめします。1人ですとよほどアクティブに動ける人でないと、南横ウルトラマラソンの本当の魅力を体感できないかもしれません。

厳しいコースで自分を追い込みたい人、台湾の人たちと交流したい人。台湾のウルトラマラソンを走ってみたい人にとてもおすすめです。關山駅までのアクセスは大変ですが、大会会場が山奥とかではありませんので、とても利便性がいい大会です。

土曜日開催ですので、金曜日に仕事を休んで日曜日に帰国するという参加方法もあります。RUNNING STREET 365のスタッフは日曜日に日本でレースがあるため、60kmを走った後に桃園国際空港に向かいました。

本当なら走り終えた日も、關山の街に繰り出して、美味しい關山のお米と台湾の料理を楽しんでもらいたいところですが、そういう無茶もできる大会です。

興味があるランナーさんは、ぜひ来年以降の南横ウルトラマラソンの参加も視野に入れてみませんか?日本では味わうことのない、密度の高いウルトラマラソンを楽しむことが出来ますよ。

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