日本一早いマラソンレポート「彩湖リレーマラソン2024」

本日埼玉県の彩湖で開催された「彩湖リレーマラソン」。同日に板橋Ctiyマラソンが近くで開催されていたのもあって、その存在に気付かなかったという人もいるかもしれませんが、今年で6回目の開催でしっかりとしたスポンサーもついている大会でもあります。

しかも戸田市・戸田市陸上競技協会やさいたま市スポーツ協会が後援しており、河川敷でよくある練習会に近いマラソン大会とは一線を画す大会となっています。今回はそんな彩湖リレーマラソン2024に参加してきましたので、その内容をレポートしていきます。

目次

彩湖リレーマラソンは1周5kmを5人で繋ぐ

彩湖リレーマラソン2024はその名前からもわかりますように、彩湖の周りを走るリレーマラソンの大会です。彩湖の周りとグラウンドを組み合わせて、1周がちょうど5kmになります。それを1チーム5人で繋ぐので、合計が25kmになります。

驚くことにこの大会にはゲストチームとしてコモディイイダが参戦し、トップレベルの走りを見せてくれます。周回コースで1km3分前後で走っているので、多くのチームが周回遅れになったわけですが、風のように追い抜かれていくのもいい経験になったという人もいるはず。

その他にも埼玉栄高校のOBで全国優勝したことのあるランナーなどハイレベルな選手が所属しているチームから、健康のために走っている人たちのチームまで幅広く揃っているのが特徴です。リレーマラソンのほかに2kmの親子ランやペアランがあるので、老若男女が楽しめる大会となっています。

コースは彩湖の周りではありますが、7mほどの高低差がある場所が1ヶ所あり、その他にも橋を渡る場所もあるので、5kmのなかに意外とアップダウンがあります。このため思った以上に難コースなのですが、襷を繋ぐという想いがあるので、ほとんどのランナーが歩くことなく走り切ります。

運営が安定してきた彩湖リレーマラソン

彩湖リレーマラソンには第1回大会から関わっているのですが、昨年はどうしても外せない用事があり個人としては不参加。2年ぶりの会場となったのですが、ずいぶんとしっかりしてきたなというのが正直な印象でした。

会場レイアウトも参加者の動線が考えられており、ランニングアイテム関係の出店も飲食店も、それなりに人が流れているようでした。ただ、後ほどテーマにして話しますが、参加者そのものが少ないというのもあって、どのお店も期待したほどの売上にはなっていないかもしれません。

そのような課題はあるものの、今できる精一杯ができていたようには思います。もちろんここが終着点ではなく、まだ通過点でしかありません。それでも着実に運営がこなれてきており、以前のようにスタッフが走り回る姿が目立つこともなくなっています。

ここまでくれば、もう安心して参加できる大会としておすすめできます。安全に対する備えもしっかりしていますし、気温が高くなったときには水分補給のアナウンスをするなど、気配りもできています。ほとんど誰も残らない閉会式など、改善が必要な点はいくつかありますが、着実に良い方向には向いていました。

待っていればランナーが戻ってくるのか

リレーマラソンは駅伝と同じで、手を抜くことができない苦しさと、それを乗り越える喜びがあります。仲間と走れない時期があり、それを経てのリレーマラソンですから、襷をつなげるということだけでも、参加者の多くが満面の笑みで競技を楽しんでいるようでした。

ただ、今回のリレーマラソンに参加したのは約60チーム。5kmの間に60チームしかいないということは、選手間は平均で83メートルにもなってしまいます。リレーマラソンの面白さは、抜きつ抜かれるすることなのに、走ってみると前方に誰もいなかったりするわけです。

これでは大会の盛り上がりにも限度があります。少なくとも100チーム、できれば150チームくらい参加して初めてお祭りのような大会になります。とはいえ、この数年でラン仲間と縁遠くなったという人も少なくなく、以前ほどラン仲間の輪が減っているので、参加者が集まりにくいのも事実。

これをどう受け止めるのか。少なくとも待っているだけではランナーは戻ってきません。だから多くのマラソン大会が変革を行っていて、新しい取り組みを実施しています。彩湖リレーマラソンもヨガイベントをするなど工夫をこらして参加者を楽しませていましたが、集客という点では厳しい現実があります。

リレーマラソンは圧倒的な個性が必要になる

実際に走ってみて「リレーマラソンは楽しい」ということを思い出したのですが、では仲間を揃えて参加したいかというと、そこはやはり悩ましいところです。人を集めるのはかなりエネルギーがいりますし、人が集まれない時期が長かったので、以前よりもチームを組むのが大変になっています。

でも「チームを組みにくいから仕方ない」というのでは、大会が尻すぼみしていくだけです。マラソンブームが戻ってくるまで10年20年待てるなら別ですが、そこまで運営の体力がないなら、個性を全面的に押し出すイベントが必要なのかもしれません。

たとえば「ラン仲間を増やそう」を掲げて個人参加を募り、レース後のアフターパーティーまでサポートする。そこまでしなくてはいけない?と思うかもしれませんが、現状ではある程度のお膳立てをしないと、集客できないわけです。

もちろんそれはひとつの例ですが、他の大会がしなくてランナーのニーズを掴んだ圧倒的な個性が求められるんだろうなと感じた1日でした。とても素敵な大会だからこそ、集客できなくて終わりになってほしくないからこそ強く願わずにはいられません。来年は100チーム集まって、今年以上に盛り上がることを。

▼過去大会のレポートはこちら

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●彩湖リレーマラソン:https://running-ss.sakura.ne.jp/saiko/

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