RUNNING STREET 365を開設した年にいきなり東京マラソンが当たり、ランナーとしてレポートするチャンスがやってきました。
今年で10回目になる東京マラソンは、運営側も熟練されたものになり、ボランティアさんも含めて「さすが東京マラソン」とうならされるものがありました。
余裕のあるスタート前
3万7千人ものランナーが集まる大会で、最も問題になるのがトイレの問題です。東京マラソンでもトイレには大行列ができていましたが、運営側のアナウンスもあり、トイレ渋滞によるスタートブロックに入れないという事態はほぼゼロでした。
ブロックに並びきれずに最後尾スタートになったのは30名以下です。
簡単なことのようですが、これはちょっと尋常じゃない数字です。2万人規模のNAHAマラソンでは100人以上最後尾スタートになっていました。決してNAHAマラソンが悪いと言っているのではなく、それぐらいが普通で東京マラソンが優秀過ぎます。
もちろんそれは8時45分までというブロック整列の時間を現場が自己判断で緩めたのでしょうが、「臨機応変な対応」こそが東京マラソンの成熟の証です。
走りだして感じたこと
ここでもやはり気になるのはトイレですが、大阪マラソンに比べて圧倒的に充実したトイレ事情でした。東京マラソンだけしか知らない人は「15分も並んだ」と言うのですが大阪マラソンは「30分待ち」もあったとか。
参加費1万800円の参加費を考えればかなり素晴らしいトイレの設置状況です、何よりも7時間制限により、6時間で完走できるランナーが2回はトイレに行くことが可能になっています。
最後尾スタートでもスタートの遅れは26分です。
スタートからの5kmまでのコース幅はかなり広めです。知り合いのランナーを見つけるつもりが、道幅が広すぎて見つけることができません。それぐらいゆとりがあるコース幅が最も混むスタートからの5kmにあることは、コース設計者の苦労が伝わってきます。
もちろんコース幅が狭い場所もあります。すべてが全てうまくはいきませんが、「完走できる人を1人でも増やす」という意味では見事なコース設定です。
エイドの給食は残念としか言いようがない
もし東京マラソンに弱点があるとしたらエイドです。
エイドのスタッフは素晴らしい仕事をしていました。ただその内容が残念です。ドリンクはともかく給食がバナナとトマトとパンとタブレット。それだけです。
東京マラソンでは毎年人形焼が出ているようですが、少なくとも後半のランナーには人形焼はありませんでした。
エイドは数少ない個性を出せる場にも関わらず、それを活用しないのはとてももったいない。東京銘菓を出すエイドがあってもいいのではないかと思います。反対にそこはビジネスチャンスでもあるような気がします。
私設エイドはお汁粉や、お味噌汁、フルーツと盛りだくさんでしたが、NAHAマラソンほど私設エイドが浸透しているわけではないので、遠慮してもらわないランナーさんが大勢います。
必要最低限のものが間違いなく用意されているという点では100点満点ですが、ランナーにとって楽しいエイドという意味ではかなり低い評価になります。
東京マラソンは間違いのない大会
とにかくやることなすこと、すべてうまくやります。これは本当にすごいです。成功の陰で走り回るスタッフさんたちの奮闘の結果だと思います。
初めてのフルマラソンが東京マラソンの人が勘違いしてほしくないのは「こんなにもシステマチックな大会は他にはない」ということ。
走る前も、走っている最中も、走り終えてもすべて「うまくいく」ための周到な準備がされています。こんなことできるのは東京マラソンだけです。
もしかしたら、その点だけでは世界でも東京マラソンを上回る大会はないかもしれません。
ただ、それと反比例して「東京マラソンだけの魅力」が確実に減っています。
いま東京マラソンを支えているのは「なかなか出られないプレミアム感」です。ランニング人口の爆発的な増加が見込めなくなってきたいま、どのようにして東京マラソンが今後変化していくのか楽しみです。
そしてやはり「初めてのフルマラソンは東京マラソンで」という人が増えてふえてほしいですね。あらゆる面で安心して、しかも楽しくマラソン大会に参加できるという意味では、やはり東京マラソンが頭一つ抜けだしています。
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