鹿児島マラソンが中止になったので桜島を1周走ってみた

東京マラソンのエリートの部は開催されましたが、全国的にマラソン大会は中止の方向。私が参加する予定だった鹿児島マラソンも「知ったことか」と開催してくれるのを期待していましたが、あえなく中止となりましたが、転んでもただでは起きないのがRUNNING STREET 365。

飛行機も宿もキャンセルせずに鹿児島に向かいました(飛行機は密閉空間なのでちょっと不安でしたが)。もちろん走るためですが、鹿児島マラソンのコースを走るのではなく、私が選んだのは桜島でした。実はずっと走りたかった場所の一つだったので、いい機会だと思い……というわけで、今回は桜島を1周走ったレポートです。

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桜島までは15分200円で行けてしまう

これまで何度か鹿児島には来ていましたが、目と鼻の先にある桜島には上陸したことがありません。フェリーに乗るというのはどうもハードルが高くて……でも利用してびっくりです。たった200円ですし、15分の運行時間です。こんなにお手軽ならもっと早めに行くべきでした。

しかも日中は15分毎に出ています。驚いたことに24時間運行で夜間は1時間に1本ほど出ています。桜島には終電(終船)という概念はありません。ということはですよ、もう少し暖かい季節になればナイトランとかもできるわけです。きっと星がきれいなはずです。鹿児島の夜景もきれいに見えるかも。

いずれにしても、行ってみてわかったのは、とにかくお手軽だということ。そのうえ、あの悪魔のようなコースが用意されているわけです。これはもしかしたら、ランナーのトレーニングに最適なのではないかと思い始めています。気候も暖かくて走りやすい。そしてトレーニングになるコースがある。それが桜島です。

アップダウンが激しい難コース

桜島は陸続きですが、元は火山島ですので海岸線もアップダウンがあります。最大高低差は100m以上あり、累積でもポラールでの計測結果だと570mもあります。途中で1回ロストしたので、実際にはもう少し低いかもしれませんが。桜島の1周は約36kmですので、アップダウンを考えればフルマラソン1本分くらいの負荷があります。

スタートはフェリーのりば前にある月讀神社から。まったくもって個人的な話なのですが、月讀命が好きなんです。何がと言われると困るのですが、桜島に月讀神社があるなんて思いもしなかったので、1人で「これは運命かも」なんて思いながらスタートしました。

知らない場所を走ると、こういった思わぬ出会いがあるからいいですね。マラソン大会も好きなんですが、普通の道を走るというのも発見が多くて好きです。あちこち寄り道できますし、時間を気にする必要もないので、好奇心が満たされていきます。

桜島のコースだって決して簡単ではありませんが、レースではないのでペースは気になりません。ただ、ゆっくりしすぎると昼ごはんの時間が遅れてしまい、夜ご飯をお腹いっぱい食べられない可能性があり……いや、結果的には宿に戻ってから夜まで食べ続けたんですが。

実際に自分の足で走ることで見えてくるもの

桜島は火山があるから、人が住んでいるとしてもかなり少なくて、道幅も狭いんだろうなと勝手に思っていました。もしかしたらジャングルみたいな道になっているのではないかと不安になってました。そうでなくてもすれ違うのも難しいような道幅かなと。

でも、まったくもってそんなことはなく、特に島の南側は完全な2車線で、一部を除いて歩道まであります。いったい誰があの歩道を必要としているのかという疑問はありますが、通過する車も多くて歩道があるのは助かります。

何もない場所と聞いていて、人によっては自販機もほとんどないと教えてくれましたが、少なくとも自販機は充実しています。もちろん走るのに500mlの水分を1本持っておくべきですが、夏場でもなければ1本持っていれば十分です。

むしろ問題なのは見どころが多すぎるという点です。あれもこれも見たくなり、展望台があると上りたくなります。この日は曇り空で、ときより霧雨になるという天候だったから景色を楽しむ必要がありませんでしたが、青空が映える日だと撮影時間でプラス1時間くらいかかったかもしれません。

「叫びの肖像」「黒神埋没鳥居」だけでなく、どのスポットも絵になる風景があり、これは自分の足で走っているからこそ目にとまるものばかり。そういう意味でもランナーさんに走ってもらいたい場所のひとつです。桜島には温泉もありますので、走ったあとにのんびりできるのも嬉しいところ。

マラソン大会が中止でも自主的に走ればいい

私は桜島を反時計回りに走りましたが、同じように単独走をしている人が向かい側から何人もやってきましたし、チームでサポートカーをつけて走っている人たちもいました。今回の鹿児島マラソンが中止になって、鹿児島マラソンのコースを走った人もたくさんいたようですが、桜島も鹿児島マラソンを走れなかった人の受け皿になっていたのかもしれません。

ただ、桜島はそもそも鹿児島のランナーさんにとっては比較的手頃なコースとして親しまれているようで、トレーニングの場としても活用されています。こういう場所が身近にあるのは羨ましいですよね。私のようにマラソン大会が中止になっても楽しめるコースがあれば「中止でも行こう」って気持ちになります。

なので、中止になったからといって走るのをすぐに諦めるのではなく、自分なりに情報収集をして、走れる場所を見つけてみましょう。「ここに荷物を預けられる」や「ここに温泉がある」「ここからここまで○km」みたいな情報を集めると、今回のように中止になっても楽しめます。

もっとも、それをするのがメディアの役割なのかもしれませんが。

鹿児島マラソンが中止になって、少しだけ「行かない」ということも考えました。でも、これは鹿児島をもっと好きになるチャンスと考えて今回のプランを練りました。実際に走ってみて気づいたこと感じたことがあり、そして地元の人からは何度も「頑張って」と声をかけてもらいました。

マラソンを走れないことは残念でしたが、決められたコースでは経験できないことをいくつも経験でき、またいつか走りに来ようと思える桜島を1周のラン旅でした。

マラソン大会中止で引きこもっている場合ではない

全国各地でマラソン大会は中止になっています。ウイルス感染が広まらないために、必要以上に動き回らないことが求められています。この2週間で収束に向かうはずという楽観的な推測もありますが、そうなってもマラソン大会は中止のままです。

そのときに宿代やフライトのキャンセルをするというのもひとつの考え方ですが、みんながみんなそれをすると経済が回りません。かといって、本来のスタート地点に集まってみんなで走るというのも、感染症リスクを考えるとあまりおすすめできません。

だからこそ、もし中止になった大会で現地入りするのであれば、自分なりのマラソンコースを見つけて走ってみてはいかがでしょう?マラソン大会で気づかなかった面白いものに出会える可能性があります。マラソン大会ではないので、どこまで走るのかも自由です。

マラソン大会が中止になったからといって、引きこもっていたのでは何も生まれません。もちろん状況に応じて外出を控える必要があるかもしれませんが、必要以上に気を使うのは疲れてしまいますし、精神衛生上よくありません。

中止になったマラソン大会でまだ宿やフライトのキャンセルをしていないのであれば、ぜひその地を自由に駆け抜けてみるというのも選択肢のひとつとして持っておいてください。観光もいいですが、ランナーはやはり走っている時間が1番楽しいわけですから。

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