長崎平和マラソンが延期になったので自分で長崎の街を走ってみた

本来なら今日は長崎で長崎平和マラソンが開催されるはずでしたが、新型コロナウイルスの影響で残念ながら延期。確保したホテルがキャンセル不可だったのもあって「どうせなら自分で走ってしまおう」ということで、ラン仲間と長崎に向かいました。

ただフルマラソンを走るモチベーションも時間もなかったので、観光地を巡るランニング。大浦天主堂から北上して、観光スポットを巡りながら平和公園を目指します。観光スポットが街中のあちこちにある長崎ならではの旅ランをしてきましたの、マラソン大会がないけどGO TO トラベルを使って旅ランをしたい人は、ぜひ参考にしてください。

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腹ごしらえをするつもりが……

ラン仲間と合流したのが12時少し前ということもあり、まずは腹が減っては戦はできぬということで人気ちゃんぽん屋さんの四海樓さんへ。ところが、ちゃんぽんの本家でランチタイムというのもあって「1時間以上待ちです」とのこと。いきなり出鼻をくじかれました。

長崎平和マラソンに出るために長崎に来て、四海樓さんでちゃんぽんを食べるつもりだという人は、時間に余裕を持って行くのがおすすめです。でも長崎には美味しいちゃんぽん屋さんが他にもたくさんあります。マラソンも走り自由になる時間が限られているならタイムイズマネーです。

四海樓さんで食べ損ねましたが、そのまま大浦天主堂とグラバー園を観光します。中学時代の修学旅行で来ているはずなのですが、記憶が1ミリもありません。見るものすべてが新鮮で、面白くてこの2ヶ所だけで1時間も滞在です。全然走っていませんし、ただただ空腹ですが……

このままでは平和公園まで走れる気がしないので、ちゃんぽんを求めて新地中華街を目指します。ところが移動途中、目の前にオランダ坂なるものが現れます。ランナーとしてこれを上らないわけにもいきません。長崎は坂の街。長崎平和マラソンは比較的坂のないコースを走りますが、坂を楽しむのが長崎の旅ランの基本。

長崎旅ランの給食はやはりちゃんぽん

オランダ坂を駆け上がり、お腹と背中がくっつきそうになったので、新地中華街にある中華料理店 福壽さんへ。もちろん、ちゃんぽんを食べるために。こだわりがあるわけではなく、「長崎=ちゃんぽん」という単純思考になっているだけで、せっかくちゃんぽんの本場に来たわけだから、食べずにはいられません。

これまでの人生でリンガーハットのちゃんぽん以外食べたことがないので、比較対象がよろしくありませんが、福壽さんのちゃんぽんはスープが上品で、麺もラーメンとは違ってどちらかというと蕎麦に近い感じ(褒め言葉として適切かどうかは不明です)。

合わせてハトシなるものも注文しました。ハトシは長崎の郷土料理のひとつで、エビのすり身をパンで挟んで揚げたものです。これも美味しくて、ビールをいただきたいところですが、まだ走り出して数キロにしかなっていません。長崎でちゃんぽんか皿うどんを注文するときには、ハトシも一緒に頼みましょう。

エネルギー補給を済ませていざ山頂へ

本場のちゃんぽんとハトシを堪能し、そのまま歩いて眼鏡橋へ。食べた直後に走ってはいけません(ランの途中で食事をするのが正しいかはさておき)。旅ランでランチをしっかり食べるときには、20−30分くらいの散歩タイムを入れましょう。今回は新地中華街から眼鏡橋までのお散歩。川沿いを少し歩いて、そこから亀山社中記念館を目指します。

この道を龍馬道と呼ぶのですが、ここが今回の旅ラン最大の難所です。延々と続く階段に足がパンパンになりながらも、上へ上へと進みます。前じゃあありません、上へ進む。そんな感覚です。亀山社中記念館でひと休みをして、そこからさらに上にある風頭公園を目指します。

坂の下から風頭公園までの距離、わずか750mしかないのに5kmのタイムトライアルをした後のような疲労感。ここで暮らしたら、もしかしたらハルカススカイランなどの階段レースでもいい記録を残せるようになるかもしれません。毎日練習できれば……ですが。1歩も外に出ない怠惰な生活をしている未来予想図しか見えません。

風頭公園には大きな坂本龍馬像。きっと日本の未来を見つめているのでしょう。まさか坂本龍馬も世界がこんなにも縮小する日が来るなんて、思いもしなかったでしょう。「ランニングの夜明けぜよ」そう言える日が1日でも早くやってくることを期待しつつ、平和公園を目指します。

長崎を象徴する平和公園であの日を偲ぶ

あまりに観光を楽しみすぎたのもあって、ここからは平和公園方面にノンストップで向かいます。面白いもので電車やバスで移動すると、方向感覚が身につきませんが、自分の足で走ると知らない場所でもゆっくりと自分に馴染んでいきます。

大通りだけでなく裏路地も使いながら、長崎駅前を通過。このあたりは、かつて海だったということもあり道路はフラット。信号が多いのが玉に瑕なので旅ランをする人は、大通りを外して走った方がいいかもしれません。ただ、大通り沿いなら路面電車と並走できるのが魅力。

平和公園の前に長崎原爆資料館へ。やはりここは外せません。ただ、ラン仲間と来ると会話に困ります。言葉にするのが難しい感情に支配されるので、長崎平和マラソンで初めて長崎に来て、原爆資料館に行く場合には、それぞれ自由行動のタイミングがおすすめです。

資料館を出て、長崎原子爆弾落下中心地碑経由で平和公園でフィニッシュ。距離は約14.5kmでランチタイムを入れて4時間30分でした。フルマラソンを完走するくらいの時間をかけてたった14.5kmしか進めていませんが、大事なのは距離ではありません。

街を知ること。歴史を知ること。学びながら走ることで旅ランした場所をもっと身近に感じられるようになり、もっと好きになる。それができれば十分です。きっと今日は実際のコースを走るという人もいるのかと思いますが、決められたコースを走るのだけがランニングではありません。

長崎を感じ、そして1945年のあの日を偲ぶため、平和を強く願うために走る。きっと長崎平和マラソンの趣旨もそこにあるはずです。来年に延期され、春には再募集されるはずですので、ぜひエントリーしてみてください。その時は後泊もして、マラソン翌日に観光ランしてみましょう。

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