海外で人気のスマートウォッチ「Amazfit GTS 4 Mini」が日本でも発売になりました。GPS計測しても稼働時間が21時間もあり、16,800円のお手頃価格なので、ランニングウォッチとして使えるのかどうか気になっているという人もいますよね。
今回はZepp Healthさんに商品を提供していただける機会をいただいたので、早速ランニングで使ってみました。結論からいえば「これでいい」ではなく「これがいい」と思える仕上がりでしたが、快適に使用するためには設定しなくてはいけない部分もあったので、その内容についてもレビューしていきます。
Amazfit GTS 4 Miniは活動量計に近いスマートウォッチ
まずはAmazfit GTS 4 Miniについて、どのようなアイテムなのか簡単に紹介しておきます。分類としては「スマートウォッチ」になりますが、独自OSを採用していますので、アプリはAmazfitが用意したものしか追加できません。
- 5つの衛星測位システム搭載
- 21時間連続計測(ランニング)
- 24hヘルスケア分析(心拍・血中酸素レベル・ストレス)
- 5ATM防水
- VO2 Max、完全回復時間、トレーニング負荷、トレーニング効果の表示
- 仮想ペーサーと競争
- 睡眠管理
- Amazon Alexa機能
Amazfit GTS 4 Miniの主な機能がこちらになります。なんでもできるスマートウォッチというよりは、活動量計としての機能がメインとなっているのがわかります。バッテリーの持ちがいいので、基本的にはランニング中だけではなく日常生活でも常時着用し、自分の体の状態を確認するのに適しています。
ランニングウォッチのようにトレーニングメニューの提案などはありませんが、トレーニング負荷やトレーニング効果の表示などができ、さらには仮想ペーサーを設定したり、ケイデンスアシスタント機能などトレーニングそのものをサポートする機能が搭載されています。
ランニングウォッチとの最大の違いは、手動インターバルの計測ができないこと。これはAmazfit GTS 4 Miniだけの違いではなく、ほとんどのスマートウォッチがそのような仕様になっています。ただ、手動インターバルができなくて困る人は限られているかと思いますので、あまり気にする必要はありません。
Amazfit GTS 4 Miniのおすすめポイント
実際にランニングで使ってみて「これはいい」と感じたポイントをリストアップします。
- 小さくて軽いから装着ストレスがない
- 動きがなめらかで操作性は快適
- 画面が明るくて視認性が高い
- GPSの計測精度が高く、キャッチするのも早い
- Stravaと連携できる
- アラーム機能は便利すぎる
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
小さくて軽いから装着ストレスがない
まずは装着したときの感じですが、とにかく小さくて軽いという印象です。普段着用しているランニングウォッチが42gなのに対して、Amazfit GTS 4 Miniは31.2g。たった10gの差なので、走り出したら違いはわかりませんが、存在を主張しないデザインも合わせて装着ストレスがありません。
かなりコンパクトなので腕が細い女性でも使えるのが嬉しいところですが、反対に腕がしっかりとしている男性だとアンバランスになってしまうかもしれません。シンプルデザインですので、ファッションアイテムとしても使いやすいのが嬉しいところです。
動きがなめらかで操作性は快適
これまでいくつかのスマートウォッチを使ってきましたが、格安スマートウォッチは動きがもっさりとしていて、引っ掛かりがおきることがありましたが、Amazfit GTS 4 Miniはそのようなこともなく、なめらかに動作します。
スワイプするときに少しだけラグが発生しますが、この価格帯のスマートウォッチなら許容範囲内。スクリーンは小さいものの、反応はしっかりしているので誤タッチすることもありません。こういうところで1万円以下のスマートウォッチとの違いを感じます。
画面が明るくて視認性が高い
Amazfit GTS 4 Miniはとにかく画面が明るくてきれい。309PPIなので文字もかなり滑らかで見やすく、走っているときにきちんと数値を確認できます。相対的な視認性だけを考えると画面が大きなランニングウォッチのほうが優れていますが、ジョグ程度のスピードならまったく問題ありません。
明るいので日中のランニング中でも、画面をしっかりと確認できるのがおすすめポイント。昼間に走ることになるマラソン大会でも、ディスプレイの表示が見えなくてペースを確認できないといった問題は起きません。
GPSの計測精度が高く、キャッチするのも早い
ランナーとして気になるのはGPSの精度ですよね。これに関しては5つの衛星測位システム搭載しており、ランニングモードにするとすぐにGPSを拾ってくれます。しかも計測精度がかなり高く、1周1,080mのコースを5周したときの数値が「5.35km」と「5.36km」と誤差が1%以下。
ちなみに「3Dデータモード」を使うとより高精度に計測できるということですが、いつも走っている公園のランニングコースは高低差が少ないので違いはわからず。とはいえGPS計測という点においては、すでにランニングウォッチよりもスマートウォッチのほうが優れている感じがあり、計測に関してはまったく問題ありません。
Stravaと連携できる
嬉しいのはZEPPアプリを使って同期をすればStravaと連携できるという点。すでにランニングウォッチを使っていてStravaで管理しているなら、Amazfit GTS 4 Miniに乗り換えても、ランニングの記録をつけるのにStravaを使い続けられます。
ただ、これに関してはひとつだけ困ったことが起きたので、それについては後ほど詳しくお伝えします。いずれにしても、裏技的なことをせずに、スマホ側のZEPPアプリの設定だけでStravaと同期できるということを覚えておきましょう。
アラーム機能は便利すぎる
Amazfit GTS 4 Miniだけの機能ではないのですが、スマートウォッチやランニングウォッチで便利なのがアラーム機能です。この機能を使っていない人も多いようですので、紹介の意味も含めておすすめポイントとしてご紹介します。
アラーム機能は設定した時間に、振動によって起こしてくれるので確実に起きられます。個人差があるかもしれませんが、音によって起こされるよりも目覚めがよく、音が鳴らないので周りの人に迷惑をかけないというメリットもあります。まだ使っていないという人は、ぜひ活用してみてください。
Amazfit GTS 4 Miniのウィークポイント
とても魅力的なAmazfit GTS 4 Miniですが、もちろん完璧なアイテムというわけではありません。いくつかのウィークポイントがありますので、そちらも見ていきましょう。
- 装着するときは目視が必要
- 画面は「表示を常にオンが必須
- コーチング機能が最小限しかない
- スマホと共有されないログがある
慣れれば気にならないものから、ちょっと悩ましいものまでありますので、それぞれのウィークポイントについて詳しく紹介しておきます。
装着するときは目視が必要
最近、ベルトのあまりを内側に通すタイプのスマートウォッチが増えていますが、このタイプのベルトは目視で通す穴を確認しての装着が必須なので、ちょっと面倒に感じます。バンドを内側に通すというのもあまりスマートではありません。外すときもやや手間取ります。
ただバンドは交換できるタイプですので、どうしても気になるようなら通常タイプのバンドにすればOK。ほんの少しだけ、脱着するときにストレスに感じるかもしれないということを、頭の片隅に置いておいてください。
画面は「表示を常にオン」が必須
初期設定では、画面表示が時間でオフになるように設定されています。そうすることでバッテリーの持続時間が長くなるのですが、そうするとランニング中のタイム確認をスマートにできません。手首を返せば表示される仕様なのですが、表示されるのに時間がかかるためです。
これは画面の設定で「表示を常にオン」にしておけばOK。バッテリーの持ちが悪くなりますが、それでも表示が遅れるストレスとのトレードオフなら、表示は常にオンにしておくのがおすすめです。ちなみに表示を常にオンにしておいても、通常時は日時だけが表示されるので、他の人に表示内容を覗き見されることがありません。
コーチング機能が最小限しかない
ランニングウォッチには様々なトレーニング機能があり、モデルによっては疲労度に合わせてトレーニングメニューを提案してくれたりしますが、Amazfit GTS 4 Miniにはそのような機能はなく、基本的には状態の表示と記録を残すだけ。
ペースを設定して仮想ペーサーを付けたり、ケイデンスアシスタント機能を使って、設定したケイデンスで走るようにしたりすることは可能ですが、サポート機能はそれだけ。細やかなサポートを受けたいという場合には適していません。
スマホと共有されないログがある
今回レビュー用に1週間ほど走ったのですが、先程記録を振り返ってみようとしたところ、ランニングのログがZEPPアプリと同期されていないケースがいくつもあり、当然ながらStravaとも同期できていませんでした。
これはログを残したい人にとって致命的な問題。もしかしたら走り終えたタイミングでZEPPアプリが起動していないと同期できないのかもしれませんが、それではさすがに困ります。個人的にはこの状態が何度も続くようなら、これまで使っていたランニングウォッチに戻そうかなと思うほど。
ZEPPアプリは以前からそのような不具合が頻繁に起きており、いくつかのスマートウォッチの継続使用を断念した過去があります。ですので問題はAmazfit GTS 4 MiniではなくZEPPアプリにあるのかもしれませんが、完全移行しようと考えている人は注意が必要です。
ちなみに使用しているZEPPアプリはiPhone版で、もしかしたらAndroid版なら問題ないかもしれません。
ランナーによってはAmazfit GTS 4 Miniは最適解のひとつ
実際にAmazfit GTS 4 Miniを1週間ほど使ってみて感じたのは、完成度がかなり高いという点です。GPSの精度はランニングウォッチよりも高く、バッテリーの持ちも十分。記録を残せればいいという人にとっては、Amazfit GTS 4 Miniはランニング用のアイテムとしても最適解のひとつになります。
ただし、気になるのはZEPPアプリとの連携部分。ここが確実にできるようになれば、シリアスランナーでもないかぎり、16,800円のAmazfit GTS 4 Miniで十分です。4〜5万円も払って、高額なランニングウォッチを購入する必要はありません。
だからこそ同期が確実ではないというのは悩ましい問題です。ここさえクリアできれば、諸手を挙げて「おすすめ」と言えるのですが……もっとも、これは私の環境だけかもしれません。他の人のブログなどもチェックしてみて、同じ問題が起きてないようなら気にせず購入してみてください。