ちょうど1年前ですが、ワークマンのシューズを履いてサブ3.5をした記事を書きましたが、なんとこれまで6万回くらい読まれているということで、とてもありがたいなと思いつつ、その続編がまったく書けていないことを反省しています。
あの記事がきっかけでワークマンのアンバサダーに就任しましたが、これといった活動はしていません。ワークマンのランニングシューズは、ほぼ毎日履いているのですが、このままではまずいと思いネタをひとつ。
ワークマンのランニングシューズは走りやすくで好きなのですが、100点満点のランニングシューズかというとそうでもなく、もっと良くなるのではないかという伸び代を感じる1足です。そこで、自分なりにカスタマイズしてフルマラソンを走ってみました。
ここではそのチャレンジについてお話させていただきます。
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フィット感のアップを目指す
ワークマンのランニングシューズに足りないもの。それはフィット感です。アッパー素材に伸縮性があるのでフィットしそうな感じはありますが、実際には足を持ち上げるときに、ほんの少しだけタイムラグが発生しています。
地面を押して足を引き上げるとき、アッパーが伸びてしまって、足とインソールの間に隙間ができる。速く走ろうとしたときには、この0.1秒にも満たない時間にストレスを感じていました。
とはいえ、すでにシューズの左右の羽がひっつきそうになるくらいまでシューレースで絞っている状態。そこで羽の改造から始めることにしました。見た目も良くしたかったので、補強のための革部品を外したかったのもあります。
シューホールの付いている羽と呼ばれる革部品を取り外し、この部分を内側に折り返します。そうすることで羽の距離が広くなり、しっかりとシューレースで固定できるようになります。見た目もいいですよね。
縫い目がむき出しになっているので、本当はここを何らかの形で補強したいのですが、デザインにも関係するので今後の課題ということにしています。
ドロップをつけて推進力を作り出す
最初はフィット感を高めるだけで十分だと思っていましたが、シューズレビューをするためにアディゼロジャパン5を履いたときに、ひとつ気になることがありました、アディゼロジャパン5はドロップを大きくして、これまで以上の推進力を生み出しています。
前足部で着地をして踵を接地、踵からリリースして前足部に抜けていくように走ると、力を入れずにスピードに乗ることができたので、これをワークマンのランニングシューズにも導入できるのではないかと。
実験となるレースまで時間がなかったので、やれることは限られていました。単純に踵にクッション材を挟み込むというものです。ただ、どのクッション材が効くのかわからなかったので、ホームセンターで5mm厚のゴムクッション、ダイソーでかかと用のインソールの2種類を買いました。
レース前日でしたが、どちらがいいか感触を掴むために、軽く走ってみました。無駄のないのはさすがに専用部品であるダイソーのインソールでしたが、面白みにかけるということで、レースではスポンジゴムを選びました。
いずれにしても、踵を少しだけ上げることには成功しています。これによって、踵をリリースするタイミングがほんの少しだけ速くなります。
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はが路ふれあいマラソンでテスト走行
ランニングシューズのテストをするとき、やはりフルマラソンの距離をきちんと走らないと、そのシューズの良し悪しはわかりません。1kmを気持ちよく走れるシューズが必ずしも42kmでも気持ちいいとは限りませんから。
このため、ワークマンのランニングシューズのテストをする場として、はが路ふれあいマラソンを選びました。ただ、前の週に台湾の花蓮太平洋縦谷マラソンを走っていたのもあって、自分のコンディションはいまいちです。
しかも日本一早いマラソンレポートのために、右手にはミラーレスカメラを持って走りますのでコンディションとしては最悪です。とはいえ、前回の記事でもカメラは片手に持っていましたので、疲労を差し引いて同じくらいのタイム(ネットタイム3時間23分18秒)では走りたいところです。
これまでにない快適な足の運び
スタートは集団の中に入っていたので、あまりペースを上げられませんでしたが、集団がバラけてからは4分30秒/km前後のペースで無理なく走れます。前回は4分45秒/kmで走りきろうとしていたので、そのときよりも明らかにペースは速めです。
ただし、1年前の自分と今の自分が同じというわけではありませんし、今回は最初からそれなりのスピードで走ることを前提にしているので、単純に比較することにそれほど意味はありません。
大事なのは足の感覚で、狙いどおりにフィット感が高まったことで追従性が上がっているかどうかです。
これは感覚的なものでしかありませんが、足取りはいつもよりも軽くて足の運びも快適でした。おそらく踵に仕込んだゴムクッションも良かったのでしょう。普段よりもほんの少しだけ早いタイミングで踵が上がるので、テンポよく走れる感覚があります。
その店舗にアッパーがうまく追従してくるので、走りにストレスがありません。
グリップしにくいことに物足りなさを感じる
4分30秒/kmを超えるスピードで走っていると、気になる部分が出てきました。それがグリップ力の低さです。ワークマンのランニングシューズはミッドソールがそのままアウトソールになっているので、ゴム素材のようなグリップ力がありません。
シューズがグリップしないので、自然と足を置いてくるという走りになるわけですが、4分30秒/kmくらいになってくるとグリップ力がないことで、地面をきちんと掴みきれていないような感覚が生まれます。
ほんの少しだけでもグリップしてくれたら、グッと前に進む感覚が得られて、スピードもさらに上がるのにと思いながらも、10kmを超えたあたりから先週の疲労から足が重たくなって、シューズのテストどころではなくなってしまいました。
仮にグリップが高かったら、もっと早い段階で潰れていたかもしれません。
3時間19分10秒で完走
完走タイムは3時間19分10秒(ネットタイム3時間18分42秒)で、ノーマルシューズと比べて4分30秒ほど縮まりましたが、ほぼ誤差の範囲内です。自分の足が最後までもたなかったので、正しくは評価できません。
ただし、カスタマイズをしたことで走りやすくなったことは間違いありません。1kmで10秒くらいのペースアップをしているように感じます。ただ、ここで完成かというとそういう話ではなく、このシューズにはまだポテンシャルが秘められているという話です。
グリップ力の問題を改善し、さらにはインソールをカスタマイズすることで、さらなる推進力を生み出せる可能性があります。それに加えて片足150gの超軽量なので、速くならない理由がありません。
もっと自分のコンディションが整ったときに試してみたいところですが、今シーズンはその機会がなさそうなので、レースでのレポートはまた1年後に持ち越しかもしれません。ただ、このシューズでサブ3をしたらカッコいいなと、密かに思っていたり。
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ワークマンのランニングシューズは遊べる1足
グリップ力の向上もインソールのカスタマイズも小手先でできることではないので、これからじっくりとカスタマイズ方法を考えていこうとは思います。こんな感じで自分なりに遊べるというのが980円シューズの魅力でもあります。
イラストのセンスがあるなら、ペイントカスタマイズするというのもありです。レースで履く機会がないので、しばらくは遊べるランニングシューズという視点で、このシューズをご紹介していこうと思います。
ただ、はが路ふれあいマラソンで会ったランナーさんの1人に、ワークマンのランニングシューズは足ができてないと走れないと言われたので、この点についてもいずれお話しようかと思います。
記事がブレイクしたことで、フルマラソンも走れるシューズという印象がついたかもしれませんが、おそらく10kmくらいが限界という人もたくさんいると思います。でも、トレーニングによって走れる距離は確実に伸びます。
それは他のシューズを履いたときにも、確実に活かされることになります。足を鍛えるための1足という部分も伝えていく予定ですので、期待しててください。